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宇都宮大学共同教育学部  教育心理分野について

   宇都宮大学共同教育学部は、現在、学校教員養成を行う学部として位置づいています。

 そこには様々な教科の分野もありますが、その中で学校教育ということの意味を教科の枠組みを超えて学ぶ場所の1つとして、教育心理分野があります。教育心理分野は学校における子どもたちの様々な言動や行動、態度、思考などを心理学の視点と研究手法で解明していくものです。それに関連した専門知識を学びます。

 心理学の研究手法は非常に科学的、客観的、実証的になっており、学生たちにはこのような観点で学修できるように教育しています。このように書くと非常に冷たい印象を与えるかもしれませんが、世の中では教育論というものが自分の主張をただ声高に述べるようなことがあったりますが、これでは教育的現象を冷静に見つめているとはいいがたいです。このような冷静さがなければ、子どもへの対応の仕方が独善的になったり自己満足で終わってしまうことすらあります。  

 文献を読み知見を整理し、自分なりの仮説を立て、それに基づいた研究方法を組み立ててデータを収集し、それを統計的分析にかけてその結果を考察する――教育心理学のこのような研究方法は、世間一般のリサーチにも重なるところがあり、また、心理学的な論文の書き方や表記法は、他の研究領域からも参考にされるくらい、普遍性が高いものです。

 このような客観的態度を獲得する学修だけでなく、教師や教師になる自分自身のメンタルヘルスを考えたり、カウンセリング的な態度を少しでも身につけて地域貢献できる活動を行ってみたりと、内省的、実践的な科目も能動的に選択してくこともできます。子どもの心や人の心というものを冷静に、温かく、丁寧に見つめていくことを学び、将来に向けて少しでも実践してもらいたいと思います。

 「教科に何も得意なものがないから教育心理学」といった趣旨の自己紹介をする新入生がいて驚くことがあります。教育心理学の学びは「人物の心をよく見る(国語的)」「人の心のデータ数値を理解する(数学的)」「時代が変わっても変わらない人の心や時代とともに変わる人の心(社会的)」「心が身体内部に及ぼす影響(理科的・生物的)」「世界の論文を読めるようになる(英語的)」「芸術的な表現と心の癒し(美術的・音楽的)」「身体のあり方とストレス発散(保健体育的)」といったように、究極の総合学習であり、さまざまな教科の知識を駆使しなければなりません。勉強したくないから教育心理学ということは決してなく、どちらかといえばその逆と言えるかもしれません。

 教育心理学の素地のある学校教員はとても必要だと感じますが、学校教員を目指す人は教科の視点を持ちやすいので、なかなか意欲的に学んでもらいにくいものでもあります。ぜひ、子どもの心に寄り添える学校の先生になることを目指して、教育心理分野で学んでみませんか。

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